【3/6】おーなり由子さんが贈る、おかあさんとあかちゃんのための本が入荷いたしました!

“ほわん”と空に浮かんでいるような言葉にも、芯に強さを秘めたおーなり由子さんの世界が、20代の頃から私はとても好きでした。自然体で頑張る力をもらったような気がします。


『だんだん おかあさんに なっていく』 

おーなり由子(PHP研究所)

妊娠から出産、育児まで。「わたし」が「母」になって、それは死ぬまで続いている。現実に押しつぶされそうになっても、こんなふうに“今”を見つめられたら。大きく深呼吸して、わたしを抱きしめてあげよう。それは愛おしい命の分身につながるものだから。



『ぎゅうぎゅうぎゅう』

おーなり由子/ぶん、はたこうしろう/え(講談社)

かわいいかわいい、赤ん坊ってほんとうにこんな感じ。見ているだけで「わたし」を親らしく育ててくれる絵本のような気がします。


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【3/6】ページをめくるのが楽しい絵本が2冊、入荷いたしました!

『しりとりのだいすきなおうさま』 

中村翔子/作、はたこうしろう/絵 (すずき出版)

ある おしろに しりとりの大好きなおうさまがすんでいました。 おうさまは、なんでもしりとりにならんでいないと、気がすみません。 りょうりも、しりとりの順番に出さないといけないから、けらいたちはいつも大変!! そこでけらいたち、話し合いました。

子どものようなおうさま、おうさまのようなこども、どちらもわたしたちのまわりにいませんか? 困ったものだけど、最後はけらいの勝ち! 三人集まれば文殊の知恵、とはよく言ったものです。



『この あかいえほんを ひらいたら』

ジェシー・クラウスマイヤー/文、スージー・リー/絵、石津ちひろ/訳(講談社)

こんな絵本見たことない! あれあれれ? 手に取ってみたときの感触にまず違和感が。落丁かと思わせるほどの薄さ。

開くと本の表紙。そしてまた表紙。デザインの美しさに心が奪われるでしょう。英語の原書で読んでみたくなる絵本です。



【おすすめ絵ほん#003】「おおはくちょうのそら」~版画の力が読む人の心に訴えかける~

「おおはくちょうのそら」(北の森の動物たちシリーズ)

絵・文 手島圭三郎(絵本塾出版/2015年1月初版)

北海道在住の絵本作家・手島圭三郎さんの2015年1月に絵本塾より復刊された作品。『おおはくちょうのそら』は、白鳥の家族愛、親子愛を描いています。

絵本全体を貫く空の青さと雪の白さが際立って美しい絵本です。手島さん作品の原画はすべて版画です。

テキスト以上の版画の力が読む人の心に訴えかける、これは、手島さんが北海道で生まれ暮らし、動物だけを追ってひたすら彫り続ける作家だからでしょう。

 ラストの白鳥の家族と空のシーンは「絵本に、こんな力があるのか」と思うほど感動を覚えます。

この手島さんの原画である版画展を2016年1月22日よりアルモニで開催いたします。

ぜひ、おひとりでも多くの方に、手島さんの版画をご覧いただければ幸いです。




【おすすめ絵ほん#002】「おうだんほどう かります」~ほんとうのやさしさは、体の奥から自然にでてくるもの~

『おうだんほどう かります』

 小さなお子さんにもわかりやすい、「ほんとうのやさしさは、体の奥から自然にでてくるもの」という本当。

作・絵 はせがわ さちこ (大島町絵本館)

 富山県射水市に大島絵本館はあります。
 『おおしま手づくり絵本コンクール』で、2004年最優秀賞を受賞した作品。

 ある日、小さい町の交番におうだんほどうを借りにやってきた、2ひきのたぬき。

 ある日、"突然横断歩道が消えていて町の人びっくり!"という展開じゃないところがね。「貸してください」とおまわりさんに、とりあえずお願いの書き置きがしてあるところから物語は始ります。

 「たぬきさんたち、どうしてそんなに横断歩道が欲しいの?」

 "何かある!"

 "きっとワクワクするようなわけが!"

 そう思ってお話の続きを待ち望む子どもたちの心の動きがみえるようです。

 そしてその答えは。。。

 鹿児島も、自然があちこち豊に残っているところです。だから、サルやシカやイタチやタヌキに出くわす事も驚きではありません。道路を横切って歩くのを車を止めて見守ることもあります。

 きっと餌を探しに巣から出て来たのでしょう。晩ご飯見つかるといいね。道を急いでいても、山の動物を見かけると自然とそんな気持になって、ちょっと心が休止する感じ。

 じゃあ、この世から動物たちがいなくなったら、人の心は荒んじゃうかもしれないな。知らないあいだに荒れた心に、「ちょっと荒れてるねぇ」と言ってくれる何か、誰かを、私たちは欲する生き物なのかもしれません。やすらぎ、というものでしょうか。いい絵本です。



【おすすめ絵ほん#001】「ともだち くるかな」~こころ"を失いたくなる、そんなつらい経験はありますか?~

『ともだち くるかな』

現在9作目まで発行されている人気シリーズの第2作目。あるきっかけからともだちになったキツネとオオカミ。誕生日にともだちの来訪を楽しみにしていたオオカミですが、キツネは現れなくて・・・。

内田 麟太郎  (著)、降矢 なな (イラスト)

 この本は「ともだちや」シリーズの2作目で、なかよしのオオカミとキツネが助け合い、時にはケンカしつつ友情を育むというもの。9作のシリーズのうち、私は特にオオカミのキャラクターがお気に入りで、彼が主役のこの話が一番好きです。

 一見怖くて意地っ張り、でも実は繊細で傷つきやすくて、自分の誕生日に花びらをちぎりながら、「くる、こない。くる・・・」と、友達のキツネを待つような性格の彼。いじらしいと思いません?

 でもその日、とうとうキツネは訪ねてこなかった。オオカミが、そのさびしさから逃れるため「こころなんか、いらないぞーっ」と大きな声で叫ぶ場面があるのですが、私にはその言葉がとても衝撃的で。さびしさや悲しさを感じるのは"こころ"を持っているからで、それがつらいから捨ててしまおうとする・・・その大胆な発想に驚きました。

 と同時にオオカミのその気持ちは、私を含め誰しも共感できるものだと気づいたんです。子どもも大人も、人間関係は悩みのタネですし、時には絶望することも起こりますから。でも、傷ついた経験があるからこそ、人は「ともだち」の存在を貴重だと思えるはず。

 最後には誕生日の日にちを一日勘違いしていた(!)オオカミの前にキツネがプレゼントを持って登場し、彼は"こころ"を取り戻します。くすっと笑える最後も彼らしく印象的です。

(生協雑誌「クリム」2008年12月